岩手県は東北地方の北東部に位置し、三陸海岸を有する海沿いの県です。古くから陸奥国の一部を成し、奥州藤原氏の治世が長期にわたりました。豊かな自然に恵まれ、リアス式海岸や岩手山などの景観が特徴的です。 主要産業は水産業と農業で、岩手牛や岩手の三大寒ブランド(いわて短角牛、いわて宮古びん長牛、いわて遠野短角牛)などの畜産物が有名です。さらに、伝統工芸品の小岩井牛乳ビン、冷酒の八戸酒などの地域特産品も存在します。 近年では、復興の歩みが続く中、再生可能エネルギーの利用促進やクリエイティブな産業の育成など、地域の活性化に向けた取り組みが行われています。世界的な観光地「三陸復興国立公園」の一部を擁し、自然と調和した持続可能な発展を目指しています。
岩手県産の代表的なお米は、「ひとめぼれ」と「金色の風」です。「ひとめぼれ」は甘く優しい味わいが特徴で、低アミロース含有量により粘りが強く、炊きあがりがふっくらとしています。「金色の風」は低アミロース・高タンパク質で、柔らかな食感と上品な甘みが特徴です。両品種ともビタミンやミネラルが豊富で、食味も良好なため、全国的に高い評価を得ています。岩手のお米は、自然豊かな環境と丁寧な生産によって、味わい深く健康的な仕上がりとなっています。
岩手県の代表的な特産米は「銀河のしずく」です。山形県の雪深い地域で育まれた酒米「亀の尾」を育種の元にしたお米で、きめ細かな食感と上品な甘さが特徴です。1990年代後半から生産が始まり、2012年には「全国新米コンテスト」で最高賞を受賞するなど、高い評価を得ています。また、同じく酒米の「兵庫菱」を母に持つ「夢しずく」も人気です。アミロース含量が低く、ふっくらとした食感が特長で、2016年には国際コンテストでも金賞を受賞しています。これら2銘柄は、岩手の豊かな自然環境と伝統の米作りが生み出した逸品です。
岩手県の稲作は、弥生時代から始まったとされています。江戸時代には「銀河米」や「南部藩銘柄」など、県内各地で伝統的な栽培方法が発展してきました。現在では、有機栽培や無農薬栽培に取り組む農家が増え、特色ある品種の生産やブランド化にも力を入れています。また、里山の景観保全や地域の活性化にも寄与するなど、岩手の稲作は歴史と伝統を背景に、時代に合わせて進化を遂げている重要な地域産業といえます。
岩手県は自然と歴史が織りなす魅力的な観光地です。有名な観光スポットには、平泉の世界遺産、三陸海岸の美しい景観、盛岡城下町の歴史的建造物などがあります。季節のイベントでは、春の桜まつり、夏の花火大会、秋の紅葉狩りなどが人気です。グルメは、朝採れの新鮮な海産物や、肉厚で柔らかな岩手牛、盛岡冷麺などが楽しめます。アクセスは、新幹線やバス、レンタカーなどで便利です。
岩手県の郷土料理には、「じゃじゃ麺」が有名です。これは手打ちの太麺にキャベツ、豚肉、人参、揚げなどを和えた料理で、強い味付けが特徴です。材料は地域によって異なり、郷土の食材を使うのが特徴です。発祥は江戸時代末期で、当時の貧しい暮らしを反映した料理といわれています。冬は温かい汁ものと一緒に、夏は冷やしてさっぱりと楽しめます。