山形県

東北地方 主要品種:つや姫、はえぬき、ゆきむすび

山形県は東北地方の南東部に位置し、日本海に面した地域です。古くから米や果物の産地として知られており、長い歴史を持つ。奥羽山脈に囲まれた内陸部は冬季の豪雪地帯ですが、鮮やかな四季の変化が見られます。 主要産業は農業、林業、工業で、特に米、果物、工芸品の生産が盛んです。庄内地方の酒造りや上山市の蓮の栽培など、伝統的な技術が受け継がれています。また、山寺や出羽三山など、歴史的な寺社仏閣も多数存在し、豊かな文化遺産を誇っています。 近年は高齢化と人口減少が課題となっていますが、地域資源を活かしたグリーンツーリズムの促進や、地場産業の振興など、新しい取り組みにも注目が集まっています。豊かな自然と息づく伝統文化が魅力の山形県は、東北の中心的な地域の1つと言えるでしょう。

6
全国生産量ランキング

統計情報

生産データ(2024年産)

354,500
年間生産量(トン) 全国6位
60,800
作付面積(ha) 全国シェア 6.52%
583
10a当たり収量(kg) 作況指数 97
350.7
1人当たり収量(kg) 県民一人当たり

農家統計(2010年センサス)

53,477
総農家数(戸) 全世帯比 13.76%
39,112
販売農家数(戸) 総農家比 73.10%
14,365
自給的農家数(戸) 非販売農家
32,457
土地持ち非農家(戸) 総農家比 60.70%
生産データ:農林水産省「令和6年産水陸稲の収穫量」 / 農家データ:2010年世界農林業センサス

地域の特色

お米の特徴

山形県の代表的なお米品種は「玄米」と「はえぬき」です。玄米は香り豊かで粘り気があり、コシヒカリより甘みがあるのが特徴です。はえぬきは酸味が少なく、ふっくらと炊き上がる優れた食味を持ちます。両者とも高い栄養価を有し、食物繊維やビタミンが豊富です。炊きあがりは粒が大きく、つや・艶も良好です。全国新米コンテストでも高評価を得るなど、山形米は食味が極めて良好と評価されており、高品質なお米として知られています。

主要品種

つや姫 はえぬき ゆきむすび 雪若丸 はるのか
気候
山形県は日本海側に位置し、四季の変化が明確です。春は比較的寒く、年平均気温は10度前後。夏は内陸部で高温多湿、秋は気温の低下と降雪の始まりが特徴です。冬は日本海側特有の積雪が多く、稲作には厳しい環境です。豊富な降水量は水稲栽培に適していますが、短い生育期間と寒冷な気候は収量に影響を及ぼします。土地利用や品種選定など、気候変動への対応が課題となっています。
土壌
山形県の土壌は、火山灰質の黒ボク土が多く、シルト質で保水性が高く、窒素やカリウムなどの重要ミネラルに富んでいます。この土壌は稲作に適しており、良質な米の生産に寄与しています。また、土壌の酸性度も適度に維持されており、安定した収穫を可能にしています。
水源
山形県の主要な水源は、月山や蔵王連峰から流れる最上川、米沢盆地の寒河江川、西置賜平野の赤川などです。これらの河川は良好な水質を保っており、水田や畑地への安定的な給水を可能にしています。地域の農業用水は、灌漑用水路や揚水ポンプなどを通じて効率的に供給されており、水資源の持続可能な利用が行われています。

特産品・ブランド米

山形県は、日本有数の良質な米の産地です。代表的な特産米には、「つや姫」「香の来」「はえぬき」などがあります。「つや姫」は、2002年に新品種として開発され、完熟した際の光沢と食味が評価され、全国新品種コンテストなど多数の賞を受賞しています。「香の来」は、特有の香りと粘りが特徴で、新潟県の「こしひかり」と並ぶ人気の山形ブランド米です。「はえぬき」は、酸味と甘みのバランスが良く、山形の伝統的な銘柄として長く親しまれています。これらの特産米は、高級レストランや都市部の量販店で高い評価を得ており、山形の農業と食文化を代表する存在となっています。

稲作の歴史

山形県の稲作の歴史は古く、10世紀頃から始まったと考えられています。特に庄内地域では、「つや姫」などの高品質な米が栽培されており、庄内藩主の保護のもと発展してきました。伝統的な手植えや手刈りなどの栽培方法は今も一部で続けられており、地域の文化となっています。近年では、有機栽培や省力化など、時代に合わせた新しい取り組みも進められています。山形県の稲作は、長い歴史と伝統を守りつつ、環境や消費者ニーズにも対応した持続可能な農業を目指しています。

文化・観光

観光情報

山形県は、雄大な自然と歴史ある文化が融合した魅力的な観光地です。代表的な観光スポットに、雪深い蔵王連峰や日本遺産の瑞巌寺、庄内平野の田園風景があります。また、春の桜、夏の花火大会、秋の紅葉、冬の雪まつりといった季節のイベントも人気です。グルメでは、山形牛やざくろなどの名物がお楽しみいただけます。鉄道やレンタカーなどで、気軽に県内を周遊できます。

郷土料理

山形県の郷土料理には、「蕎麦」や「だし」を使った多彩な料理が特徴です。「きりたんぽ」は山形の代表的な料理で、もち米を丸めて竹の棒に巻き付け、煮汁で煮込む郷土料理です。柔らかなきりたんぽに、じっくり煮込んだ鶏肉や野菜のだしが染み渡る温かな味わいが特徴です。歴史的には、寒冷な山間部で生活した人々が、保存性の高いもち米を活用して生み出した料理とされています。冬の季節にぜひ味わいたい、山形ならではの味わいです。