茨城県

関東地方 主要品種:コシヒカリ、ふくまる、ひたち錦

茨城県は東日本の中心に位置する歴史ある地域です。関東平野の南部に広がり、太平洋に面した地理的特徴から古くから交通の要衝として栄えてきました。 主な産業は農業と工業で、米や野菜、果物の生産が盛んです。特に水戸市は歴史的な城下町として知られ、水戸黄門の生誕地としても有名です。また、つくば市は研究開発都市として科学技術の中心地となっています。 近年は東京圏への通勤圏拡大や、豊かな自然環境を活かした観光の振興など、産業構造の変化が進んでいます。伝統文化の継承と新たな魅力の創出に取り組む地域として期待されています。

7
全国生産量ランキング

統計情報

生産データ(2024年産)

338,800
年間生産量(トン) 全国7位
62,500
作付面積(ha) 全国シェア 10.25%
542
10a当たり収量(kg) 作況指数 103
120.6
1人当たり収量(kg) 県民一人当たり

農家統計(2010年センサス)

103,221
総農家数(戸) 全世帯比 9.48%
70,884
販売農家数(戸) 総農家比 68.70%
32,337
自給的農家数(戸) 非販売農家
50,809
土地持ち非農家(戸) 総農家比 49.20%
生産データ:農林水産省「令和6年産水陸稲の収穫量」 / 農家データ:2010年世界農林業センサス

地域の特色

お米の特徴

茨城県の代表的なお米品種は「コシヒカリ」です。コシヒカリは日本を代表する良食味米で、粒が大きく柔らかく粘り気のある食感が特徴です。栄養価も高く、炊き上がりは白く光沢があり、香りも良好です。全国的に高い評価を得ており、茨城県産コシヒカリは味、食感、外観の三拍子そろった極上のお米として人気を博しています。茨城県は関東有数の米どころで、気候条件に恵まれ高品質な米が生産されています。

主要品種

コシヒカリ ふくまる ひたち錦 日本晴 みずほちから
気候
茨城県は内陸性気候で、夏は高温多湿、冬は寒冷です。年間平均気温は12-15度、年間降水量は1,000-1,400mmと比較的多い地域です。梅雨期の降雨が多く、台風の影響もあることから、水稲作には恵まれた環境ですが、夏季の高温と冬季の低温は収量や品質に影響を及ぼします。気候変動による極端な気象の発生に備え、適応策が重要となっています。
土壌
茨城県の土壌は、主に黒ボク土と褐色森林土で構成されています。黒ボク土は有機物に富み、ミネラル成分も豊富なため、稲作に適しています。特に窒素、リン酸、カリの供給に優れ、水はけも良好です。このような土壌特性が茨城県の稲作に適した理由です。
水源
茨城県の主要な水源は、利根川や阿武隈川などの大河川、並びに霞ヶ浦や北浦などの大規模な湖沼です。全体として良好な水質を維持していますが、工業地域や農業地域からの排水による局所的な水質悪化が課題です。農業用水は、ダムや用水路から田んぼへ供給されており、自然の恵みと先人の知恵によって持続可能な食料生産を支えています。

特産品・ブランド米

茨城県の代表的なブランド米は「コシヒカリ」「つくばの恵み」「ひたちなかのお米」などです。 「コシヒカリ」は日本を代表する良質米で、茨城県でも広く栽培されています。粘りと食味が良く、全国新米コンテストでも上位に入賞。「つくばの恵み」は良食味と低アミロース含量が特徴の新しいブランド米で、2019年度特Aを取得。「ひたちなかのお米」は都市近郊ならではの良食味米で、2020年には経済産業大臣賞を受賞するなど高い評価を得ています。これらの特産米は、茨城県の伝統的な米作りと、先進的な生産・流通体制により育まれてきました。

稲作の歴史

茨城県の稲作は、奈良時代(710年~794年)には既に確立されていました。江戸時代には、水利施設の整備や肥料の工夫など、伝統的な栽培方法が発展しました。明治期以降は近代農業技術の導入で生産性が高まり、特に1970年代からは、良食味米の品種改良や環境保全型農業の取り組みが進められています。現代では、IoT技術を活用した省力化や、有機栽培など付加価値の高い米づくりにも注力しており、歴史と伝統を踏まえつつ、時代に合った持続可能な農業を目指しています。

文化・観光

観光情報

茨城県は歴史と自然に恵まれた観光地。水戸市の偕楽園は美しい日本庭園、東茨城郡の鹿島神宮は由緒ある神社。秋には阿見町のさとうきび収穫祭、冬はひたちなか市の大洗海岸でイルミネーション鑑賞が人気。つくば市や笠間市では陶芸や地場産品の魅力も。JR常磐線や高速バスがアクセス良好。

郷土料理

茨城県の代表的な郷土料理は、「つくばねぎそば」です。素麺に細かく刻んだねぎを加え、鰹節や醤油で味付けしたシンプルながらも風味豊かな料理です。ねぎは茨城県つくば市の特産で、古くから地域住民の主食として愛されてきました。つくばねぎそばは、地元の食材を生かし、簡単に作れる郷土の味として、今でも茨城の家庭や食堂で親しまれています。冷やして食べるのがおすすめです。