長野県

中部地方 主要品種:コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれ

長野県は日本の中部地方に位置し、アルプス山脈に囲まれた内陸県です。長野は古くから農業が盛んで、戦国時代には上田城主の武田氏の支配下にありました。その後、江戸時代には諏訪湖畔を中心に発展し、蚕や木材の生産地として知られるようになりました。 現代の長野県は、豊かな自然環境を活かした農業と観光が主要産業です。地域の伝統行事や祭りが盛んで、諏訪大社や善光寺などの歴史的な寺社も有名です。近年では、長野オリンピックの開催や、アウトドアスポーツの人気で訪れる観光客が増えています。また、安曇野や白馬など、雄大な自然景観が評価され、移住者も増加傾向にあります。

13
全国生産量ランキング

統計情報

生産データ(2024年産)

187,900
年間生産量(トン) 全国13位
30,300
作付面積(ha) 全国シェア 2.23%
620
10a当たり収量(kg) 作況指数 101
94.5
1人当たり収量(kg) 県民一人当たり

農家統計(2010年センサス)

117,316
総農家数(戸) 全世帯比 14.77%
62,076
販売農家数(戸) 総農家比 52.90%
55,240
自給的農家数(戸) 非販売農家
44,494
土地持ち非農家(戸) 総農家比 37.90%
生産データ:農林水産省「令和6年産水陸稲の収穫量」 / 農家データ:2010年世界農林業センサス

地域の特色

お米の特徴

長野県の代表的な米品種は信州五郎兵衛や長野夢しずく、コシヒカリなどです。信州五郎兵衛は甘味と粘りが特徴で、香りも良好。長野夢しずくは食味が良く、炊きあがりがふっくら。コシヒカリは全国的にも有名で、粘りとコクがあります。これらの米は低アミロース価で食味が良く、たんぱく質や食物繊維、ビタミンなどの栄養価も高い。炊飯後も柔らかく、保温性にも優れる。全国新米コンテストなどで高評価を受けており、長野を代表する銘柄米といえます。

主要品種

コシヒカリ あきたこまち ひとめぼれ アケボノ ほしのゆめ
気候
長野県は内陸性気候で、春は乾燥、夏は高温多湿、秋は涼しく晴れる、冬は寒冷多雪が特徴です。年平均気温は8~10度、年間降水量は1,000~1,500mm。夏の高温多雨と冬の積雪は稲作に適しており、良質な日本酒の産地となっています。しかし、近年の気候変動による極端な天候にも注意が必要です。
土壌
長野県の土壌は火山性の黒ボク土が主で、シルトやロームを多く含んでいます。ミネラルも豊富で、特に窒素、リン酸、カリウムが多く、稲作に適しています。良好な排水性と保水性も稲作に適した条件を形成しており、長野県が日本有数の米どころとなっている理由の1つです。
水源
長野県の主要水源は、北アルプスや中央アルプスに源を発する千曲川、梓川、犀川などの河川や、諏訪湖、白樺湖などの湖沼です。これらの水源は豊富な水量と良好な水質を誇り、主に農業用水として利用されています。田んぼへの給水は、これらの河川や湖沼からの用水路や地下水を用いた灌漑システムにより行われています。

特産品・ブランド米

長野県は古くから優良な米作りで知られており、いくつかの有名な特産米やブランド米があります。代表的なものは、「長野五輪米」「おくさま米」「安曇野米」などです。「長野五輪米」は1998年長野オリンピックの公式米で、良食味と高い品質が評価され、数々の賞を受賞しています。「おくさま米」は長野県独自の品種で、粘り気と甘みが特徴的です。「安曇野米」は長野の北安曇地域で生産され、きめ細かな食感と豊かな風味が人気です。これらの米はいずれも高級米として市場でも高い評価を得ており、長野県の優れた米作りの伝統を今に伝えています。

稲作の歴史

長野県の稲作は、弥生時代頃から始まったと考えられています。江戸時代には、山地の傾斜地を利用した棚田稲作が発展し、「信州米」として知られるようになりました。明治時代以降は、水稲品種の改良や機械化など、稲作の近代化が進みました。現在では、有機栽培や伝統的な棚田稲作など、地域性を活かしながらも環境にやさしい取り組みが広がっています。長野県の稲作は、豊かな自然と伝統技術が調和した、持続可能な農業モデルとして注目されています。

文化・観光

観光情報

長野県の主な観光地は、白馬村のスキー場、松本城、上高地、善光寺などです。春は諏訪湖の桜、夏は松本の祭り、秋は白馬の紅葉、冬はスキーなど、季節ごとのイベントが人気です。長野新幹線や高速バス、レンタカーなどでアクセス可能で、郷土料理の信州そば、信州牛、山菜料理などを楽しめます。

郷土料理

長野県の代表的な郷土料理に、信州そば、ざるそば、しゃぶしゃぶがあります。信州そばは江戸時代から親しまれており、そば粉と水だけで作られる素朴な味わいが特徴です。ざるそばは涼しい夏に良く食べられ、そばつゆに浸して食べます。しゃぶしゃぶは、薄切りの豚肉を湯引きして、自家製のポン酢で味わう郷土料理で、信州の豊かな自然の恵みを感じられる料理です。これらの料理は、長野県の伝統的な食文化を今に伝える大切な地域の味です。