大分県

九州地方 主要品種:コシヒカリ、ヒノヒカリ、豊の香

大分県は九州地方の東部に位置し、豊かな自然に恵まれています。古くから重要な交通の要衝で、由緒ある神社仏閣が点在しています。歴史的には豊後国として栄え、中世には大友氏の勢力下にありました。 主要産業は製造業と農林水産業。大分の伝統工芸品には、豊後杵築の陶器や別府の温泉関連グッズがあります。また、地元食材を活かした料理文化も発達しています。近年は別府温泉や湯布院などの観光地が人気を集め、地域経済を支えています。 現代の大分県は自然と共生しながら、産業の高度化や観光振興に取り組んでいます。地域の伝統を大切にしつつ、新しい魅力を発信することで、持続可能な発展を目指しています。

27
全国生産量ランキング

統計情報

生産データ(2024年産)

88,400
年間生産量(トン) 全国27位
18,000
作付面積(ha) 全国シェア 2.84%
491
10a当たり収量(kg) 作況指数 101
81.5
1人当たり収量(kg) 県民一人当たり

農家統計(2010年センサス)

46,623
総農家数(戸) 全世帯比 9.67%
29,512
販売農家数(戸) 総農家比 63.30%
17,111
自給的農家数(戸) 非販売農家
28,478
土地持ち非農家(戸) 総農家比 61.10%
生産データ:農林水産省「令和6年産水陸稲の収穫量」 / 農家データ:2010年世界農林業センサス

地域の特色

お米の特徴

大分県の代表的なお米品種は「ヒノヒカリ」と「おおむぎ」です。ヒノヒカリは粘りと甘みが特徴の良食味米で、全国的にも評価が高い人気品種です。おおむぎは大粒でつや感があり、香りが豊かな特徴があります。両品種とも低アミロース含量で、ふっくらとした炊き上がりが得られます。また、ビタミンB1、鉄分、葉酸などの栄養価も高く、大分県のブランド米として広く知られています。

主要品種

コシヒカリ ヒノヒカリ 豊の香 吉姫 こなつの輝き
気候
大分県は温暖な気候で、夏は高温多湿、冬は比較的寒さが少ない。年間降水量は1,500~2,000mmと多い。夏は長雨傾向で、梅雨前線の影響を受けやすい。冬は乾燥し、稲作には有利な気象条件が整う。しかし、近年の異常気象による集中豪雨や干ばつも稲作に影響を与えており、気候変動への適応が課題となっている。
土壌
大分県の土壌は火山灰土が主体で、シルトや粘土が豊富な壌土です。カリウム、マグネシウムなどのミネラル成分に恵まれ、水はけが良く、稲作に最適な条件を備えています。適度な肥沃さと保水性、排水性のバランスにより、高品質な米の生産が可能となっています。このような土壌特性が大分県の良質な米作りを支えています。
水源
大分県の主要な水源は、豊後水道に注ぐ大野川、耶馬渓川、大分川など。これらの河川は清流が特徴で、豊かな自然環境が維持されています。大分平野の水田は、これらの河川から引水された用水路システムで潤されています。地域によっては、大分県内の湖沼である挾間湖などを水源として活用しているところもあります。全体的に水質は良好で、農業用水として適しています。

特産品・ブランド米

大分県の特産米は、「ヒノヒカリ」、「おおいた晴れぼし」、「はなの舞」などが有名です。「ヒノヒカリ」は香り豊かな米で、大分県独自の品種開発により生まれました。「おおいた晴れぼし」は良食味と高い食味評価を得ており、全国新米コンテストで優秀賞を受賞しています。「はなの舞」は粒が大きく、食感が良いと評価され、特に大分の冷涼な気候で育成されることが特徴です。これらの米は大分県の地域ブランドとして確立され、高級米として市場で人気を集めています。

稲作の歴史

大分県の稲作の歴史は古く、8世紀頃から始まったと考えられています。平安時代には、大分の米は九州有数の産地として知られていました。江戸時代には、大分の在来種「大分もち」が全国的に有名になりました。戦後は機械化が進み、高度経済成長期には生産性が高まりました。近年は、有機栽培や特別栽培米の生産など、伝統と先進性を併せ持つ取り組みが広がっています。環境と調和した持続可能な農業を目指し、大分の稲作は新たな歴史を刻んでいます。

文化・観光

観光情報

大分県の観光名所は、別府の温泉地、由布岳の大自然、くじゅう連山の壮大な景色、そして豊後高田の歴史的町並みです。春にはつつじ、夏には阿蘇くじゅう国立公園のシャクナゲ、秋にはくじゅうの紅葉が人気を集めます。地元グルメは、豊後牛、とり天、竹田の赤鶏などが有名で、JR、高速バス、レンタカーなどで訪れやすい環境です。

郷土料理

大分県の郷土料理には「もつ鍋」「かぼす鍋」「とり天」などがあります。もつ鍋は牛または豚のホルモンを醤油ベースの出汁で煮込んだ料理で、地元の食材を使用し温泉地の冬の風物詩です。かぼす鍋は柑橘系のかぼすの香りが特徴の鍋物で、豚肉や野菜を煮込みます。とり天は大分のB級グルメとして知られる唐揚げで、衣の中にすりおろしたゆずを入れた独特の味わいです。これらの郷土料理は大分の風土と食文化を反映しており、観光客にも人気の料理です。