宮崎県

九州地方 主要品種:コシヒカリ、ヒノヒカリ、宮崎香

宮崎県は九州南東部に位置し、南は太平洋に面しています。温暖な気候に恵まれ、歴史的には古くから日本文化の中心地の一つでした。縄文時代から栄え、平安時代には都城遺跡が形成されるなど、長い歴史がみられます。 主な産業は農林水産業で、ブランド牛や果物、野菜などの生産が盛んです。特に、宮崎牛や宮崎アポーの栽培が有名です。また、沿岸部では漁業も重要な産業となっています。一方で、観光業も発達しており、自然豊かな景観や神話の里としても知られています。 近年では、首都圏からのアクセスも良好になり、移住者も増加しています。伝統的な文化と自然環境の調和が図られ、地域の活性化が進んでいます。

34
全国生産量ランキング

統計情報

生産データ(2024年産)

69,700
年間生産量(トン) 全国34位
14,500
作付面積(ha) 全国シェア 1.87%
481
10a当たり収量(kg) 作況指数 97
67.6
1人当たり収量(kg) 県民一人当たり

農家統計(2010年センサス)

45,804
総農家数(戸) 全世帯比 9.95%
30,958
販売農家数(戸) 総農家比 67.60%
14,846
自給的農家数(戸) 非販売農家
20,391
土地持ち非農家(戸) 総農家比 44.50%
生産データ:農林水産省「令和6年産水陸稲の収穫量」 / 農家データ:2010年世界農林業センサス

地域の特色

お米の特徴

宮崎県の代表的なお米品種は「ヒノヒカリ」です。甘み豊かで粘りのある食感が特徴で、全国新米コンテストでも高評価を受けています。栄養価も良く、ビタミンやミネラルが豊富。炊き上がりはふっくらとしており、しっとりとした食感が魅力です。宮崎県産米は「食味日本一」とも称され、都市部を中心に人気が高く、高級米としても認知されています。地域の気候と土地柄が生み出す豊かな味わいは、宮崎ならではの魅力と言えるでしょう。

主要品種

コシヒカリ ヒノヒカリ 宮崎香 宮崎ひのひかり 宮崎東大
気候
宮崎県の気候は年間を通して温暖で、冬は平均気温が10度前後と比較的高めです。年間降水量は1,500mm前後と多く、特に梅雨季と台風シーズンに多雨となります。この温暖多雨な気候は稲作に適しており、宮崎県は全国有数の米どころとなっています。ただし、夏季の高温や台風による被害も課題となっており、気候変動への対応が求められています。
土壌
宮崎県の土壌は、火山灰土が主体で、火山灰由来のミネラル豊富な赤土が特徴です。この土壌は保水性が高く、酸性が弱いため、稲作に適しています。また、温暖な気候と降水量も良好で、稲作に適した環境が整っています。このような土壌条件と気候が相まって、宮崎県は良質な米の生産地となっています。
水源
宮崎県の主要な水源は、木花川、日向灘、小丸川などです。これらの河川は一般的に水質が良好で、豊かな渓流域を有しています。また、県内には五ヶ瀬川や七ツ山ダムなどの大規模な湖沼もあり、水田への安定的な給水を支えています。県内の多くの農家は、これらの水源から取水したり、ため池を活用したりして、効率的な灌漑システムを構築しています。

特産品・ブランド米

宮崎県の主要なブランド米には、「アイガモ米」「きのめし」「祝米」があります。アイガモ米は、アイガモによる自然栽培で生産され、低農薬・低化学肥料の環境保全型農業が特徴です。きのめしは、豊かな自然環境の中で丹精込めて育てられ、噛み応えのある食感と甘味が特徴的です。祝米は、宮崎の気候風土に合わせて開発された品種で、コシヒカリよりも粘りと甘みが強く、食味が良いと評価されています。これらの銘柄はいずれも全国新米コンテストで賞を受けるなど、高い品質が認められています。

稲作の歴史

宮崎県の稲作は、古くから行われており、1600年代には本格的に開始されました。明治期には、英国種の導入で品質が向上し、大正期には県独自の「宮崎ハナムロ」が開発されました。戦後は機械化が進み、生産性が高まりました。近年は、「宮崎の夢」など特色ある銘柄を育み、有機栽培の取り組みも広がっています。また、棚田や里山の景観を活かしたアグリツーリズムなど、地域に根ざした持続可能な稲作を目指す取り組みも行われています。

文化・観光

観光情報

宮崎県は自然豊かな観光地が魅力的です。日南海岸や青島は雄大な景色が人気。季節のイベントとしては、春の「えびのひまわりまつり」や秋の「宮崎みなと祭り」があります。グルメは「宮崎牛」や「日南鶏」、「都農ワイン」などが有名です。アクセスは、JR日豊本線や高速バスが便利で、飫肥ICからレンタカーで観光するのもおすすめです。

郷土料理

宮崎県の郷土料理には、「あご出し」が有名です。煮干しを煮出した出汁を使い、豚肉や野菜を煮込む料理です。豚肉は地元の「宮崎県産黒豚」を使うのがおすすめ。出汁の旨みと豚の甘味が絶妙に調和します。この料理は昔から地域の人々の食生活に根付いており、地域の伝統的な食文化を象徴する一品です。あご出しは単品で食べるほか、ご飯やうどんとの組み合わせもおいしいと評判です。